真如苑の接心修行と信者の世界観変容について

研究成果: ジャーナルへの寄稿学術誌査読

抄録

本論文は日本の新宗教教団の一つである真如苑の入信過程についての研究である。新宗教研究は、わが国の宗教学・宗教史学の主要なテーマのひとつであるが、信者の入信過程を論じたものは限られている。本論文は、信者に対するアンケート調査と、読書理論を活用することで、入信過程の研究に対する貢献を図ったものである。 真如苑は80年代に急成長した新宗教教団であり、入信の動機は霊能力の獲得にあると見られていた。しかしそうした関心から本教団に接した信者は、悩みが解決されれば教団から離れていく。一方、教義に関心をもち、その教義を通じて世界の解釈を行なうようになれた信者は、それを以降の世界解釈の基礎としていく。また、真如苑は修行という実体験を勧めはするが、その解釈は与えない。信者はその体験を理解するためにも教義について深く理解しようとするのであり、それによってその世界観を深く受容していくのである。
本文言語日本語
ページ(範囲)7-31
ページ数25
ジャーナル西日本の新宗教運動の比較研究
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出版ステータス出版済み - 4月 1995

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