抄録
九州大学では,留学生のためのプレアドミッション支援の一環として「実質的な」意味における外国学歴・資格評価(FCE)を2022年度からスタートした。国際部に設置されたプレアドミッション・サポートデスク(PSD)がその実施主体である。だが,開始から二年経った今もPSDの利用率-それはそのまま実質的なFCEの普及率でもある-は低い水準に留まっている。原因は複合的であろうが,教員を対象とした意識調査からは,6割もの教員が共通して抱くある懸念が主要な要因として浮かび上がる。本稿は,PSDの2023年度活動実績をもとに,かかる懸念が根拠を欠くことを明らかにし,現在の留学生選抜制度に内在するリスクを回避するためPSD(そしてその中心業務であるFCE)が重要な役割を果たしうる可能性について論じる。
本文言語 | 日本語 |
---|---|
ページ(範囲) | 161-168 |
ページ数 | 8 |
ジャーナル | 大学入試研究ジャーナル |
巻 | 35 |
号 | 0 |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2025 |