Abstract
国内に生育する樹木の木材性質に関するデータベースを作成する一環として,九州大学演習林(北海道演習林,宮崎演習林,福岡演習林)に生育するつる性木本植物3樹種を含む95樹種の生材含水率および容積密度数を測定した。針葉樹の生材含水率は辺材が心材より常に大きく,心材ではスギの28%からモミの67%の範囲にあり,辺材ではツガの75%からスギの160%の範囲にあった。一方,広葉樹の生材含水率は,心材ではヌルデの34%からハリギリの83%の範囲にあり,辺材ではアオダモの45%からマタタビの153%の範囲にあった。樹幹半径方向の生材含水率のバラツキについては,辺材よりも心材が高いタイプ,心材よりも辺材が高いタイプ,心材と辺材にほとんど差がないタイプの3タイプが認められた。針葉樹材の容積密度数は,スギの378kg/m3からツガの524kg/m3の範囲にあり,樹幹半径方向の変動では,中心部が外周部よりも高かった。広葉樹材の容積密度数は,キリの266kg/m3からシャリンバイの751kg/m3の範囲にあり,樹幹半径方向の変動では,外周部よりも中心部が高いタイプ,中心部よりも外周部が高いタイプ,中心部と外側部にほとんど差がないタイプの3タイプが認められた。最後に心材形成を開始する樹齢やサイズに係わる情報について記載した。
Original language | English |
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Pages (from-to) | 33-44 |
Number of pages | 12 |
Journal | Bulletin of the Kyusyu University Forests |
Issue number | 92 |
Publication status | Published - Mar 2011 |