Abstract
本研究は,高齢者の体型差を考慮した褥瘡予防ケアのための基礎研究として,肥満体型の高齢者の頭部挙上角度別に,仙骨部・臀裂部・臀部の血流量を比較することにより,肥満体型高齢者への適切な挙上角度を検討する事を目的とした。対象は,肥満体型高齢者14名であり,頭部挙上20度,25度,30度の仙骨部・臀裂部・左右臀部の計4カ所の血流量を測定した。
その結果,頭部挙上20度では,圧迫によるうっ滞は認めたが,血流量の減少は認めず,各部位に褥瘡発生に繋がる要因は認められなかった。頭部挙上25度においては,圧迫によるうっ滞の後,20分経過後より血流量の減少が左臀部を除く部位においてみられた。頭部挙上30度では,特に左右臀部にうっ滞の程度も大きく,その後の減少も他の角度よりもみられた。これらより,肥満体型の高齢者においては,褥瘡予防のための挙上角度として30度ルールを適応すると,特に臀部に負荷をかける可能性があると考えられた。
Translated title of the contribution | Comparison of Sacral and Buttock Blood Flow Levels Resulting from Varying Head Elevation Angles Among Obese Elderly People |
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Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 46-52 |
Number of pages | 7 |
Journal | JOURNAL OF JAPAN HEALTH MEDICINE ASSOCIATION |
Volume | 29 |
Issue number | 1 |
DOIs | |
Publication status | Published - Apr 30 2020 |