Abstract
目的: 慢性疼痛を有する患者への効果的な看護介入を見出すために, 補完代替療法(Complementary andAlternative Medicine,以下CAMとする)として用いられている療法の効果について,文献検討を行う。方法:慢性疼痛療法ガイドライン(以下,ガイドラインとする)にてその効果と安全性,推奨度を確認すると共に,医学中央雑誌Web版,PubMedにより,検索された研究論文を用いて,方法,効果の評価,効果と安全性に関する記述レビューを行った。結果:ガイドラインで取り上げられたCAM(認知行動療法,マインドフルネス,運動療法,マインド・ボディエクササイズ,マッサージ)については,実践に強く推奨されるには至っていなかったが,症状の軽減などが報告されていた。また,安全性については,実施時の注意点が示されており,実施者に訓練が必要であることを指摘しているものもあった。研究論文では,訓練を受けた実施者や専門家による疼痛管理プログラム,自己管理教育,フォローアップ訪問,運動療法,マッサージ,タッチなど介入による症状軽減が報告されていた。結論:慢性疼痛に関する介入では,医師や理学療法士など専門家の介入によってその効果と安全性は検証されつつあるが,ケアの専門家である看護師の介入は散見されるにとどまり,エビデンスレベルの効果や安全性の検証に至っていなかった。看護の独自性でもあるケアを通した関わりの巧みさを基盤に,CAMでその効果や安全性が検証されているプログラムや技術を統合させた看護技術の開発の必要性が示唆された。
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 117-130 |
Number of pages | 14 |
Journal | 千里金蘭大学紀要 / 千里金蘭大学図書委員会 編 |
Volume | 19 |
Publication status | Published - 2022 |