Abstract
1980年代の改革開放以降,中国の正規金融組織は情報の非対称性と担保制度の欠乏などの原因によって,農村部の資金需要に応えきれない。一方,民間金融は農村経済の発展とともに一定の合理性と必要性が生まれてきたが,利息が高く,供給が不安定のため,問題を残している。これらに対し,2006年末の農村金融制度の改革により,農民専業合作社は地域内の余剰資金を利用することが可能になった。本論文は中国山東省の二つの農民専業合作社に事例調査を行い,合作社内部での資金互助を実施することによって,農家の資金調達がやすくなり,借入れコストも低くなることを究明した。また,農家会員間の資金過不足を調節し,これまで満たされていなかった農家の資金需要を満たすことができたことを明らかにした。この金融制度の改革は効果的に農家の融資難の問題を解決し,農村資金の有効利用を実現することができた。
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 7-18 |
Number of pages | 12 |
Journal | 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 |
Volume | 68 |
Issue number | 1 |
Publication status | Published - Feb 2013 |